Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
村川は、その情熱の火花の中に、彼女に最初の接吻をしようと思った。なまじ、口に出して頼むからはずかしがるのだ。言葉よりも実行だ。いきなり後から、彼女を抱いて接吻をしよう。そう思ったので、彼はつかつかと倭文子の後へ迫った。彼女は、闇の中で、ちらと村川を見返ったようだったが、村川と知ると安心したようにまた向うをむいた。
村川は、その動作で彼女も既にそれを許していると思った。彼は、背後から彼女の細いなで肩を抱きしめ、彼女の頬に彼の唇をよせた。
何という歓喜であろう。倭文子も彼の唇を受けようとして、顔を後へ向けてくれたではないか。二つの唇は、いなずまのように合った。一分二分、二人には世界のすべてが消滅して、火のように熱しているお互の唇があるばかりであった。村川は、ただ今宵の接吻一つのために今まで二十五年の半生を生きてきたような気さえした。
相手もおそらくそうだっただろう。彼女の身体も、わなわなと震えていた。三分四分、二人は、息ぐるしくなって、顔を離した。彼女は、はじかれたように向うをむくと、はずかしさのために、うつむいてしまった。
羞恥と歓喜との四五分が経った。