Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
今日は、とにかく。」
「まあ。変な方! わたしに接吻して急に後悔したの?」
「とにかく、僕は考えたいのです。」
「まあ、考えてからしたのじゃないの! いいわ、お考えなさい。でも、わたしもうすっかり安心したわ。」
京子は、村川から離れて立ち上った。
「今度、いつ会って下さる?」
村川には、返事のしようがなかった。
「わたしの気のむいたとき、あなたのお部屋へ行ってもいいでしょう……。でも、この四阿もいいわねぇ。しずかで、誰も来ないし……」
「とにかく、今日は失礼します。」
村川は、そういうと、二三歩歩き出した。
「まあ、ちょっとお待ちなさいよ。今度は、いつ会って下さる? わたし、ちゃんとお話がしたいの。よく、お話をきめてわたしから、お父さまにいうわ。」
村川は、自分を縛る綱が、だんだん身に喰い入って来るのを感じた。
村川はだまっていた。
「ねぇ、明日会って下さるでしょう。明晩ずっとお部屋にいらっしゃる?」
村川は、仕方がなく肯いた。彼は一刻も早く京子の把握から逃れたかったからである。
「そう。じゃ、また明日。」
そういうと、京子は思い切りよく村川を離れると、闇の樹立ちの中を、ほの明るい建物の方へ歩き去った。