Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

「村川さん、駄目ね。私達、彼方にいたのよ。」京子は得意になっていった。

「そうですか、どこに。」

「あなたの書斎に。」

「それじゃ、二階に上ったのですか。」

「もちろん。」

「驚いた。まさか二階へは上るまいと思った。」

「あなたの机の上の手紙読んでよ。」

「ひどいな、そんな事をするのは。」

「松井芳枝って、誰?」

「誰だって、いいじゃありませんか。」

「女から、たくさん手紙が来るのは不良のしるしよ。」

「京子、失礼なことをいってはいけませんよ。」

夫人は娘をたしなめた。

「いいのよ。村川さんなんか、時々たしなめておく方がいいのよ。」

村川は、京子の挑戦が、結局は形を変えた好意のある媚態であることは、よくわかっていた。だが、わかっていながら、それをそれとして受け取ることが出来なかった。彼はそれにこだわった。こだわった後には、気まずい後情が、尾を引いていた。

「そんなに、僕が不良に見えますか。」

「見えるわねぇ、倭文子さん。」

倭文子は、山上の湖に、微風が訪れたような、かすかな微笑を浮べた。それは微笑のための微笑で、外の意味は少しもまじっていなかった。ただ微笑するとき、彼女は限りなく可憐に見えた。