Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
一人前の話
。それがたしか明治二十九年ぐらいを境にして、それ以来国内ではぱたっと棉を作らなくなり、唐糸が急激に入って来たのである。織物にするには、繊維の長い唐糸(外来綿糸)の方がより適しているので、日本棉は年々減ってきたのである。
そんなときに長兄は、茨城県に棉畑を奨励しようとして、種苗を取り寄せたのだから、旧式な話で、成功するはずもなかった。何分にも明治十六年に郷里を出たころの知識を元手に、関東地方の人と交りを結ぼうとして努力をしたのだから、うまくゆかなかったのである。
いちばん郷里に帰りたく思い、そして一生播州のアクセントと国訛りの抜けなかった長兄が、とうとう郷里に帰らなくなったのだから、ときにイライラすることもあったらしく、われわれとしても気の毒に思ったのであった。
一人前の話
長兄松岡鼎が神戸の師範に入る以前のことである。近所の子供を集めて鬼ごっこして遊んでいるので、母が「十五歳にもなって……」と叱責したそうである。すると兄が「タバコ入れを買っておくれなら」と答えたのを、折から居合せた尾芝の祖父が聞いていて、「もっともなことだ。おれが買ってやろう」といった、という。