Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「駄目です。駄目です。」
「いいの。いいの。わたしのいう通りしていればいいのよ。」
なみ子は運転手台の方へ、半身のり出しながらいった。運転手は微笑しながら、
「かしこまりました。」
「困るな、あなたはあちらへ行かなければいけないのでしょう。」
「いいえ。今井さんのお座敷なんか、誰がつとめてやるものですか。あんな、鼻摘み。」
「だって僕が困るんですよ。」
「あなた、おいや、わたしがご一緒じゃ。」
「でも、僕は、困ったな……」
「いいじゃありませんか。わたしをこわがっていらっしゃるの? わたし、これでおとなしいのよ。」
「それは、そうでしょう。でも僕は……」
前の車は左へ折れた。
「君、あの車の後へ……」
村川は、かなり一生懸命に呼んだ。
「小石川へね。ね、運転手さん、わたしのいう通りねぇ、ご祝儀うんと上げるわ。」
運転手は、苦笑しながら、
「小石川は、どちらです。」
「小石川はどちら?」
彼女は、村川の方を見た。
「困ったな、君、僕はここで降りたいな。」
「まあ。おどろいた! そんなにわたしがお嫌い?」
「そうじゃありませんよ、決して。」
「じゃ、いいじゃありませんか。あなたも度胸をきめなさいよ。