Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
人を最も苦しめる者は不安だ、地獄へ堕ちるまでのその道筋だ。
京子ののろいがまざまざと実現してきそうな恐怖が、彼の心を、圧倒して来た。彼女ののろいの言葉通り、倭文子は彼の把握の中から煙のように立ち去りかけているのだ。
葉山のどこに行っているのか、彼には見当がつかなかった。川辺家の別荘は、大磯にあって、葉山ではなかった。彼は美智子や宗三にそれとなく聞いてみた。だが二人ともはっきりとは知らなかった。美智子は、
「待っててね。わたしお母さまに聞いて来てあげるわ。」といきおいよく立ち去ったが、そのまま、彼のところへ帰って来ないので、晩のご飯の時に、
「美智子さん、さっきの事聞いてくれた?」
と聞き直すと、彼女はけろりとして、
「ああ忘れちゃった。だってお母さまがおやつを下さったので、すっかり聞くの忘れちゃった。」
と、彼女は平気な顔をしていった。
実際女中達も、京子が葉山のどこに滞在しているのか知っていないらしかった。ただ夫人だけは知っているのに違いないのだが、彼は、京子の縁談を露骨に断ったので、今更京子の滞在先などを聞く事は出来なかった。そればかりではなく、川辺家にいる事さえ何となくいづらく感じられて来ていた。