Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「七時三十分だ。どうもおそいな。どうしたのでしょう。」
「さあ。」
「こんなに待たせるなんて、ほんとうにいけませんな。だが、今井さんの用事が長びいているのかな。待ち遠しいですな。どうです、こちらへいらっしゃいませんか。お話でもなさいませんか。」
「ええ。」
といったが、倭文子は顔を赤くしただけで、椅子を離れようとしなかった。
「あなたが、こちらへいらっしゃらないのなら、僕がお傍へ行きましょうか。山が、マホメットの方へ来ないから、マホメットが山の方へ行くという話がありますね。あはははは。」
宮田は、てれかくしにそんなことをいいながら、倭文子に一番近いソファへ席を移した。
「一度、ゆっくりお話ししたいと思っていたのです。今井さんから、いろいろおうわさはきいていましたが。」
倭文子は、前よりも二寸くらい首を低くたれた。
「今井さんも、川辺さんも、あなたもみんなご同藩だそうですね。今井さんの話では、あなたの家はなかなかのご名家だということじゃありませんか。何でも、あなたの家がご家老で、川辺さんの家が馬廻りで、今井さんの家は足軽だそうですね。」
倭文子は、自分の家のことをいわれるのが、一番いやだった。