Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
二十分近く経っただろう。村川の姿が、先刻消えて行った方角からだんだん濃くなって来た。やがて彼は倭文子の前へ来て、だまって立った。
「どう?」
倭文子は、ほのじろい顔を振り上げてきいた。
「落ちた所まで、行ったのですがね。背は立つのですよ。波が来たって、持って行かれることはないんだが、だが、もしかすると……」
村川の声は、重くなった。
「もしかすると、どうなるの?」
倭文子の声は、不安にふるえた。
「もしかすると、落ちたときに、どこかを打ったのかな。」
「打ったとしたら。」
「気絶するか、運がわるければ、それきり死んでいるかですな。」
「まあ!」
倭文子は大きな目をむなしくみひらいた。
「仕方がないですな。」
「でも、あなたはどうなるの?」
「さあ、僕が殺したことになるのですかな。殺意がなくたって。」
「ああ、わたしどうしましょう。」
倭文子は声を立てて、おいおい泣き叫んだ。
「だが、僕はどうなったっていい。あなたとこうして会っただけでも満足だ。」
「まあ。なぜ、こんな所へいらっしゃったの。こんな所へいらっしゃるから、とんでもないまきぞえに会ったのよ」
「だって、あなたがあんな手紙をくれるんですもの。