Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「そんなもの持って来て大丈夫ですか。」
「でも仕方がありませんもの。」
「悪いなあ。」
「いいえ。大丈夫ですわ。わたし覚悟していますもの。」
「覚悟って、どんな覚悟です。」
倭文子は、それに答えないでマッチを擦って石炭に火をつけようとしていた。
村川は、ついおかしくなって笑った。少くとも自分は笑ったつもりだったが、寒さのために声がかすれて、笑いらしくはきこえなかった。
「駄目ですよ。マッチからすぐじゃ、つきませんよ。マッチですぐ石炭につけるようじゃ、あなたがお台所をしたというのも怪しいですね。何か薪ありませんでしょうか。」
「そう! ありますわ、お菓子箱でいいかしら。」
「そんなものをなるべくたくさん持って来て下さい。」
倭文子が、部屋を出て行った間に、村川はぬれたものを、スッカリ身体からのけてどてらに着換えた。
倭文子は、新世帯の炊事をでもしているように、菓子箱の空箱を両手に抱えきれぬほど持って入って来た。悲しみのなかにも、どこかいそいそした容子を見ていると、村川はいじらしさにまぶたが熱くなって来るのだった。
菓子箱を壊しては、炉の中へ投げ込んだ。でも、石炭の火のつくまでは、かなり時間がかかった。