Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
三
しかし、つまらない原因からにしろ、倭文子がいじめられていることは事実である。それを慰めることは、村川の義務でなければならない。いや、義務というよりも彼の烈しい要求なのである。慰めなければならないのでなく、慰めたいのである。
彼は、とにかくどうにかして、倭文子に会おうと思った。だが、カーテンの陰に一緒にいても、あんなに腹を立てる京子がいるとすれば、一緒に話なんかしているところを見つけられては、たいへんである。
同じ家にいながら、村川にとっては倭文子は籠の鳥である。
三
村川は倭文子と親しく話をする機会を待ちながら、一日一日と空しく過ごしていた。廊下で遠くから見かけたり、障子越しに声を聞いたりするだけで、顔を見合す機会さえ容易に来なかった。彼が、もっと策略のある青年であったならば、そんな機会を作るのは容易なことであったに違いない。だが、彼は不自然なことはしたくなかった。ムリな機会を作りたくはなかった。
ある晩、五月に入ってから、村川は京子と倭文子との三人で、帝国ホテルの演芸場へ、赤色ロシアを亡命している美しい女流ピアニストのコンサートを聴きに行ったことがある。