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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

でも、とにかく洋館などは、過去の大地震に煉瓦一枚落ちなかったほどに、堂々として、内部の装飾も家具もこの頃の文化住宅の薄っぺらな、吹けば飛ぶような安手なものとは違って、荘重典雅を極めている。安楽椅子、肱掛椅子などにも、わざとならぬ時代が付いて、部屋の中に落着いた空気が漂っている。窓ごとに、房のついた鳶色の緞子の窓掛が重々しく垂れている。

「この家にいて、時々かくれんぼの相手をしているのも、下宿料がいらなくてよい。だが、下宿か間借りかをして、何物にも煩わされない生活もわるくはない。」

そんなことを、ぼんやり考えていると、

「ようし。」と、いう宗三の声が遠くからほのかに聞えて来た。

「ようしと聞いた。」

村川は、小声でいって立ち上った。うまく見つけてやろうなどという心はなく、ただこんな遊戯に調子を合せている白々しい大人の心があるだけである。

洋館の方も、座敷のほかに階上階下十幾つの間数がある。まさか、誰も自分がここにいるのに二階に上るほど大胆ではあるまい。しかし階下には隠れていないとは限っていない。村川は、座敷の次の京子の部屋のドアを開けて見た。くすんだ朱色に塗った大きな机、同じ木材を使った革張りの椅子、机の上には、桃色のシェードのかかったランプ台、レースの肱附、金飾りのついた小型の万年筆、女らしい調度がちらかって