Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんな馬鹿な。倭文子さんを、僕から……」

といったが、村川にはそれ以上をいう自信がなくて口ごもった。

「奪りますとも。そんなことくらい、何でもないわ。」

「だが、あなたはそんな事をして、いつかは僕があなたと結婚するとでも思って待っているのですか。」

「うぬぼれも、たいていになさいませ! わたしは、あんなにわたしを侮辱したあなたと、結婚なんかするものですか。だれが、そんな事を待つものですか。わたし、明日にでも、外の男の人と結婚するわ。そしてあなたに接近するあらゆる女を、あなたから奪って、あなたを、のたうち廻らせてあげるわ。そんな復讐くらい、あなたに対する一番かるい復讐よ。」

村川は男性らしい怒りが、はじめてほとばしった。

「馬鹿な夢を見るのはおよしなさい。あなたのすべての努力は、愛している者の力がどんなに強いかを証拠立てるだけでしょう。」

「そうかしら。あんまり、そうでもございませんでしょう。しっかり倭文子さんをつかまえていらっしゃい。今に、倭文子さんが、煙のように、あなたの手から消えてなくなるでしょう。さようなら、お邪魔いたしましたわ。ねぇ村川さん、お休みなさいませ。