Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
私は今、このイナサが不思議な力を働かせて、昔から海を大事にして来た日本人の信仰をかたちづくった痕跡が窺えるのではないか、とそこまで考えているのである。
欧米人は、沖縄とこちらと言葉が耳できいてあまりに違うので、ながい間別の人種だと思っていたらしい。シナでもしきりにそういって、沖縄を自分の方へ引き寄せようとし、あれはシナの領土だからといって、まるで東南アジアの諸国と同じに考えていたらしい。私は早くから日本と一体であることを知っていたが、証明がどうも容易でなかった。ところがごく最近になって、言語学の権威ある学者が同じだといいだしはじめたのである。沖縄でも那覇とか首里とかの中心地は、朝鮮やシナと交通したため複雑になっているが、本島でも辺鄙な所とか、小さな離島に行ってみれば、日本語の元の発音のままの言葉を保存しつづけて使っている所がある。悪い癖で、日本人は田舎のものを粗末にしやすいが、じつは辺鄙な所のものが大事な参考になるのであり、平素の言葉や習俗が注意すべきものをたくさん含んでいることを忘れてはならない。私は十三歳の時、初めてイナサに吹かれて一日に何百も利根川を上ってゆく白帆を見たとき、本当に広い世の中を見たいという気がしたのである。