Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
村川は、足音を忍ばせると、ひらりとそのカーテンの陰に身を投げ込んだ。と、意外、彼は暖かく柔かい肉塊に身を打ち付けて、思わず声を立てようとした。
そこに彼よりも先に、倭文子の柔艶な身体がかくされていた。彼が、あまりに勢いよく飛込んだので、二つの身体は一つに押しつけられ、倭文子は、
「あら!」
と、軽いかすかな叫び声を立てた。だが、その叫び声につづいた矯羞を帯びた微笑は、村川の心を異常に衝き動かさずにはいなかった。自分一人の秘密な場所だと思っている所へ、男性の侵入を受けた処女の矯羞、それには当惑がありありと見えた。だが、それが不快にまで行っていないことは、彼女の濁らない眸が示していた。極端に恥しいが、いやではない。当惑しているが、しかし嫌悪はしていない。村川は、すぐ出るのが、本当だと思っていたが、かくれんぼをしているのを口実に、一秒でも二秒でも、長くこうした希有の境遇に、身を置きたい気もした。
倭文子はどちらかといえば、浅黒い顔が赤らんで、眸が美しく輝いている。やや昂奮しているらしい呼吸までが、聞きとられる。張り切っているかわいい頬、もし村川が京子のいうように不良だったならば、こんな自然な姿勢を利用して、たくみに接吻の一つぐらいは、盗んだに違いない。