Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
」
宮田は、女中に命じた。
「あなた。そんなにお急ぎになるの。ねぇ、もっといらっしゃい。後生だから。」
なみ子は、また村川の手を取ってゆり動かしながらいった。
「いや、僕は帰りたいのです。」
「いやに堅くるしい坊やねぇ。いい子だからもっといらっしゃい!」
「おい誘惑したらダメだよ。」
宮田が立ち上りながらいった。村川も立ち上った。
「ううん。わたし、誘惑するの。わたし、こう見えても妖婦よ。」
「そんな日本物の妖婦はダメだよ。」
「だって、こちらだって日本物の色魔よ。だからいいじゃないの。あなたのお帽子これ……」
なみ子は、村川の帽子を取りあげて裏を見た。
「ああわかった。村川さんとおっしゃるの。」
「お前のように、初めて会ったお客に、そうそう図々しい奴はないねぇ。」
今井が冗談とも真面目ともつかずにいった。
「そう、悪かったわねぇ。すみません、これから気をつけます。でも、いーさんも偶には気の利いたお客を連れて来るわねぇ。これから、きっとこの方連れて来てねぇ。」
「ああ連れて来るとも。その代り、お前を呼んでやらないよ。」
「いいわ。だまって押しかけて来るから、いいわ。ねぇこちら、またいらっしゃいねぇ。