Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
村川は、あせって一枝の方へつかつかと進み寄った。
「ねぇ、ちょっと。あちらへ行ってくれませんか。僕ここでちょっと考えたいのですが。」
一枝は返事をしなかった。
「ねぇ、いけませんか。」
一枝は、じっとうつむいたままだまっている。村川は相手の不得要領な態度に、じりじりしたので、思わず彼女の肩に手をかけた。
「ねぇ、一枝さん。僕の頼んでいることがわからないんですか。」
すると意外にも、一枝は村川にかけられた手を振り払うと、からだをねじらせて、腰かけている縁の上に顔を伏せてしまった。
「どうしたのです。どうしたのです。」
村川は、おどろいて彼女のからだをゆすぶっていると、彼女はいつの間にかシクシクと泣いているのである。
「ちぇっ!」
村川は、いらいらしさから、烈しい憤怒にまで、昂奮した。だがシクシク泣いている少女をどうすることも出来なかった。また、彼女がなぜに泣いているのか、その原因を訊ねてやるほどの余裕はなかった。
彼は、胸がじりじりと焼けた。彼は大きい声で、怒鳴りつけてやりたかった。それをじっとこらえて、
「ねぇ、あっちへいらっしゃい! 家の中へいらっしゃい!」