Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

顔を覆っている両手の指をもれ、象牙の牌をぬらした。

涙が出ると、またそれが恥しさを増して、どうしても顔をあげられなかった。

「ねぇ、今のは、やり直しにしましょう。」

今井がいった。

「賛成です。」

宮田も、すぐ応じた。

「そう。それでもいいわ。でも、規則通りにしないと、つまらないわ。」

京子がいった。

「だって、別にお金をかけているのじゃないし、いいじゃありませんか。」

宮田がいった。

「宮田さんは、いやに倭文子さんのひいきをするのね。でも、お金をかけていないから、規則だけでも厳重にしないとつまらないわ。」

「ごもっともです。でも、そこをその……情状酌量というわけには行きませんか。」

「いけませんわ。ねぇ、倭文子さん罰金お出しになるのでしょう。」

倭文子はうつむいたままうなずいた。京子は、倭文子の代りに数取りの札を計算して、皆に三百点ずつ渡し、自分も取った。そして、かりかんの印だけを、倭文子の手許に押しやった。同じ印を倭文子は五つ六つ持っていた。

皆は、またすべての牌を、卓上でめちゃくちゃにかきまわし始めた。かるたの札を切るのと同じわけである。だが、倭文子は顔を上げなかった。