Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

「六時三十五分です。」

「じゃ、おれ達より一汽車遅れたんだね。」

「さあ。村川君、こちらへ来たまえ。」

宮田は、そういって椅子を直してくれた。人間の感情が、正当なはけ口を得ないほど、人の心を苦しませるものはない。村川は煮られるようなやるせなさをこらえて椅子に腰かけた。

「今まで、麻雀をやっていたのだが、倭文子さんが、頭痛がするといって寝室へ行ったものだから、三人になって困っていたところなのだ。君が、来たのでちょうどいい。」

村川は京子の言葉が、嘘でないのを知った。だが、同時に激しい絶望を感じた。倭文子と二人きりになって話をすることなどは、この境遇では思いも及ばなかった。それよりも、今ではいかにこの場を体裁よく脱け出すかが問題だった。

京子は、村川が階段を上り切ったのを見ると、自分も足早に階段を上った。だが、座敷のドアからそっと中をのぞき、村川が今井などにつかまっているのを見ると、安心して引き返した。そして、倭文子の入っている寝室のドアを開けて中へ入った。

電灯に、濃い青色のシェードがかかっているので部屋は、薄ぐらかった。倭文子はまだ寝ていなかった。自分の寝台の傍の床の上に、膝をつき顔を寝床の中に埋めていた。