Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、そう思いながら、彼は倭文子の涙を見ると、驚いたらしくいった。

「いや、これはどうも、たいへん失礼しました。つまらないことを申しあげて。いや、ごもっともです。全くごもっともです。つい、どうもお母さまのことなどを申し上げて、失礼しました。」

倭文子は不覚に落した涙に、われながら狼狽して、あわてて心を持ち直して、ぬれた頬を袖でふいていた。そして、どうして他人の前で涙を落したのかと、後悔していた。

「だが、川辺さんのようないいご親類があって、おしあわせですね。それに京子さんとは、たいへんお仲がいいようじゃありませんか。ご姉妹同様ですな。京子さんはいろいろあなたのお力になっているのでしょう。」

倭文子は、だまってうなずいた。

「それに、あなたのようなおやさしい方には、だれだってお力になりたいですからな。あはははは。」

だが、倭文子が、ちっとも表情をうごかさなかったので、宮田の笑いは、しらじらとしたひびきを残した。

もう八時であった。下から女房がまた上って来た。

「いかがでございます。もう、ご飯めし上ったら。お帰りになるにしても、ご飯をおすませになってからだろうと思いますが。