Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
」
倭文子は、どうしていいか自分でもわからなかった。
「お帰りになるのなら、お伴しますよ。僕も帰りたいのですからね。」
ここにとどまっても、東京に帰っても、どちらにしても、宮田との気づまりな息ぐるしい接触を、免れることが出来ないとしたならば、ここにいて折を見て、寝室へひきとった方が、どれほどいいかわからなかった。
「お帰りになりますかね。お帰りになるとしても、お伴しないわけには行きませんね。もう遅いし、お一人じゃ心配ですからね。」
「いいえ。」
倭文子は決心して、首を振った。
「お一人でお帰りになりますか。」
「いいえ。」
「お帰りにならないのですか。」
倭文子はうなずいた。
「けっこうです。じゃゆっくりお話ししようじゃありませんか。」
その話すということが、倭文子には苦労の種だった。彼女は、生れつき親しくない人と話していると、顔がカッカとしてすぐ頭痛がして来るのだった。まして、二人きりで差し向いの話などは心の苦しみだけでなく同時に肉体的にも苦痛を伴った。
別荘番の女房が、お膳を下げに来た。それを機会に、倭文子はどうにかして、自分の部屋へ引きとりたいと思ったが、宮田は絶えず倭文子に話しかけて、その機会を与えなかった。