Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

その次に、お目にかかったのは、邦楽座の研精会のときですね。二度とも私はあなたをどんな風な着物を着ていらしったか、今でもよく覚えていますよ。」

倭文子は、顔をあげることが出来なかった。頭がぼうとなり、顔が熱く、胸がしきりにさわいだ。彼女は、村川から初めて恋をささやかれたとき、やっぱり心がこんな風に動揺した。だが、あのときはその動揺の中に、ほのかな身も心もとかしてしまうような、太陽の熱があった。だが、今はそれがない。喜びにふるえる胸ではなくして、ただ苦しく不快にさいなまれている心だった。

「だから、今度のお話も、願ってもない良縁だと思ったのですよ。だが、やっぱり縁談でした。まとまったら、幸せだが、まとまらないでも仕方がないとこう思っていたのです。ところがです。昨日、社長が別荘へ行かないかというものですから、ついついて来たのです。むろん、あなた方が、いらっしゃるなどとは、夢にも知らなかったのです。中途で、社長から打ち明けられたときでも、私はあなたとゆっくり見合いが出来るくらいにしか思っていなかったのです。だが昨夕からだんだん、あなたのご容子を見ていると、縁談が縁談でなくなってしまったのです。