Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「宮田君は、まだ上って来ませんか。」
「いいえ。それよりも、あなたお負傷は。」
「大丈夫です。すり傷くらいはあるかもしれませんが。」
「宮田さんも、大丈夫でしょうか。」
「大丈夫ですとも。こんな浅いところで、死ぬわけはありませんよ。波さえ来なければ、腰の所くらいしか水はないんですからね。」
村川は、スッカリ落着いていた。彼は、上着をぬぎ、水をしぼっていた。倭文子は身体が、ガタガタふるえて止まなかった。
シャツ一枚になった村川は、崖端へ出て行くと、
「おい! 君、宮田君!」
と、幾度も、つづけてよんだ。だが、彼の声も、風波の音にせかれて、遠くへひびきそうにもなかった。
「落ちたときは、お互に離れていたのですがね。すぐ波をかぶったのです。まさかあのくらいな波で、流されるはずはありませんね。柔道は先刻の容子じゃ僕以上だし、泳ぎだって知っているでしょう。もっとも泳ぎの方は、僕に敵いっこはないだろうが。」
村川は、倭文子の傍へ腰をおろしながらいった。倭文子は、村川が学生時代水泳の選手であったことを思い出した。
「ここで待っていると、先生きっとノコノコはい上って来ますよ。