Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「宮田さんは、駄目でしょうか。」
「案外、先まわりして別荘へ帰っているかもしれませんよ。」
「でも、いよいよ駄目でしたら。」
「まあ! そんなことは考えないことにしましょう。」
二人の疲れ切った身体に、不安がヒタヒタとかぶさって来た。
「ちょっと待っていて下さい! わたし、家の容子を見て来るわ。まあ、こんなに袖口がほころびているわ。」
倭文子は、門の所へ村川を待たせると、身づくろいしながら、玄関を上って行った。
二階へ上る彼女の姿を、村川はいじらしくガラス戸越しに見ていた。彼女はすぐまた玄関へ現れた。
「宮田さん帰っていないの!」
彼女は、絶望したような、そのくせ邪魔者のないのを喜ぶようにいった。
「お上りなさいませ!」
「大丈夫ですか。」
「大丈夫ですわ。もう別荘番の人達は寝たらしいわ、ちゃんと戸締りがしてありますの。」
村川は、倭文子と一緒に階段を上った。たとえ、どんな犠牲を払ったにしろ、彼女と一緒にこうして、同じ家に一夜を明し得るかもしれぬことはうれしかった。たとえ、明日にはどんなに恐ろしいことが待っていようとも。
倭文子は、二階へ上ると、ちょっと思案した。