Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
しかし、村川の愛を信じ切っている彼女には、そんな事は少しも苦にならなかった。
「ねぇ。村川さん、あなたいつから、わたしを愛していて下さったの。わたしちっとも気がつかなかったわ。」
村川は、最初の恐ろしい激動が去ると共に、今宵の失策の結果が、まざまざと頭の中に浮んできた。京子に誤って、接吻という恋愛の約束手形を振り出したことは、恐ろしい間違いに違いなかった。その約束手形は、ほんとうの愛情では、支払えないのはもちろんだが、見せかけだけの愛情で、支払うことも夢にも思い及ばなかった。しかし、彼の約束手形は、もう京子の掌中にハッキリと握られているのである。彼女が、その手形の支払いをあらゆる手段で、催促することは当然であった。だが、それよりもおそろしいことは、この失策のために、倭文子との間になり立ったばかりの恋愛が滅茶苦茶になることであった。こうしている間にも倭文子が、忍んで来て京子と自分との問答を聴いてはいやしないかと思うと、村川は烈しい心の苦痛のために、身体も心も引き裂かれるような気がした。
京子に、村川の心持がわかるはずがなかった。
「ねぇ、村川さん! でも、わたしが肱附やクッションを上げたのを知っていたのでしょう。