Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
どこか外へ出て下さることは出来ませんか。」
倭文子はだまってしまった。
「もしもし。出て下さること出来ませんか。」
倭文子は返事をしない。
「もしもし。」
「ええ。」
「僕のいっていることおわかりになりますか。」
「ええ。」
村川は、倭文子が煮え切らないのでじりじりした。
「どうして、ハッキリ返事をして下さらないのです。出て来て下さるのですか。下さらないのですか。」
「ええ。」
村川は受話器を壁にたたきつけたくなった。
「どうしたのです。どうしてハッキリ返事をしてくれないのです。」
倭文子はまただまってしまった。
「横に誰かいるのですか。」
「ええそう。」
倭文子は初めて返事をした。
「いるって誰です。女中ですか。」
「いいえ。」
「じゃ、京子さんですか。」
倭文子はだまった。
「京子さんですか。」
「そうです。」
村川は、ガッカリして受話器をかけてしまった。
彼は、前よりも、もっと暗い気持になって、テーブルへかえった。ウェイトレスが傍へ来た。
「何か強くないカクテルを貰おうかね。ミリオンダラーか何か。」
「やっぱりお安くないのですね。」
「馬鹿なことをいうなよ。」
村川は、吐き出すようにいった。