Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「じゃ、どこで待って下さいます。今すぐで大丈夫ですか。」

「今、京子さんお留守なの、それでわたくし出ましたの。」

「そう。それは万歳ですね。どこがいいでしょう。植物園は?」

「ええ、いいわ。」

「じゃ門の所で待っていて下さい。」

電話は、部屋の一隅にあったが、村川は出来るだけ小声で話した。だが、部屋中の視線と聴覚とが、自分の背中に一面に集まっているような気がした。

自分の机に帰って、全速力で仕事を片づけた。課長に急用が出来たことを告げて、社を出た。

東京駅前の大通りへ出ると、折よく通りかかったタクシーを呼び止めた。

恋する者は、幾度相手の心をたしかめても安心出来ないものだ。まして、村川は、一度きりしか倭文子と会っていないのである。今日こそ、倭文子の心をたしかめ自分の決心を告げて、十分な勇気と覚悟とで、京子に対する問題を処理せねばならないのだ。そう思うと、何か冒険に走せむかう勇士のように、村川の心は軽快になってきた。

シトロエンの下して間もないらしい車は、自動車道としては一番障害の少い大手町から一つ橋への道をまたたく間に疾駆して、神保町から小石川白山へと一文字に走った。