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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

ただ、彼女の勝気は、悲しみを怒りに換えて、じっと辛抱しているのであった。

「京子さん! どうぞゆるして下さい。」

京子は、唇を破れるまでかんで、五分間近くもだまっていた。彼女は、怒りのために、ふるえようとする手や足を、懸命の力で支えていたのである。

「どうぞゆるして下さい!」

村川が、幾度目かに許しを乞うたとき、彼女の覚悟はやっときまったのだろう。彼女は、冷たい低い声でいった。

「ねぇ、村川さん、人としてゆるせる事とゆるせない事とがあるでしょう。そうじゃない。」

村川は、だまってうなずいた。

「わたしは、あなたが本当に愛していて下さると思ったから、またあなたを本当に愛していたから、あんなに大胆にあなたに許したのでしょう。それは、間違いだからといって取り返せることかしら、わたしは、女として自分の夫にしか許せないことをしてしまったのよ。そんなことを、あなたがさせていて、それで過ちだからゆるしてくれ。それじゃ、わたし、どこに立つ瀬があるの。」

村川は、ひざまずいたまま面を上げようともしなかった。

「村川さん。よして下さいよ。そんなところへ坐るのなんか。ちゃんと腰をかけて聞いて下さいよ。