Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
「京子さん、あなたのお心はうれしく思います。でも僕には……僕にはもうあなたのご好意を受けるだけの自由がないのです。どうぞ僕をゆるして下さい。」
京子は、じっと村川の膝に面をふせていた。
「外の点では、どんな償いでもいたします。どうぞ、僕をゆるして下さい。」
京子は、それには答えなかったが、ふいに顔をあげた。
「いくら、お願いしても駄目?」
京子は美しい眸で、じっと村川を見つめた。村川はその凝視を慌ててさけながら哀願した。
「どうぞ、ゆるして下さい。」
「もう一度、お願いするわ。ねぇ、村川さん、わたしを愛して下さい。わたし、心からあなたを愛しているのよ。ねぇ、村川さん、どうぞわたしを愛して下さいませ。これが、最後の……わたしの一生のお願い、ねぇ、村川さん、わたしあなたを愛しているのよ。」
京子は、女性のすべてのかよわさをからだにあらわして哀願した。
「どうぞ、京子さん、許して下さい。」
取りすがる京子の手を、しずかに押しのけながら、村川は逆に京子に哀願した。
「そう! いいわ。」
京子は、サッと身を起すと、元の椅子に帰った。彼女は、一瞬のうちに、すべての笑いと媚とを無くしたはがねのように冷たい女になっていた。