Classici giapponesi con furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate
私は、はからずもこの古今の名人に逢って、深い印象を残し得たのを生涯の悦びとする。
終りにこれもあまり人に知られていない話。明治二十五年頃のこと、団十郎は歌舞伎十八番を自分の似顔の人形として家に遺すつもりで、その製作を当時活人形の名人であった初代安本亀八に頼んだ。いずれも木彫の精巧な作品、私はその二、三を亀八老の宅で見たが、高さ七、八寸の人形で、実に立派な芸術品であった。「暫」は桜の木地彫、「助六」は胴がつげ、頭は象牙で扮装どおりの彩色、「矢ノ根」は同じくつげ着色、「不動」はびゃくだんの木地、ところがその額の白毫が問題なのである。
それにはダイヤモンドを用いてとの註文で亀八は銀座の服部へ行ってみると、適当の大きさの品はあったが価格が大枚六百円、驚いてそのまま引き返し、団十郎に報告した。当人いっこう平気で無造作に、よかろうそれにしておけと値段のことなど眼中にないので亀八老二度びっくり、さすがは日本一、えらいものだとつくづく感心した。これは亀八老が私への直話で、団十郎の大腹中を知るべきである。しかしこの亀八の傑作も例の震災でどうなったか、その後の消息を知らない。