Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

「邪魔致す気か?」

「御意!」

「よーし! ……戸ヶ崎参れ! ……こやつ斬れ!」

声に応じて戸ヶ崎熊太郎、門口に立って聞いていたが、刻み足してはいって来た。

「十二神殿か、拙者は戸ヶ崎。……ご令名は以前より、諸方において承ってござる。……はじめての対面にかかる仕儀、遺憾ではござるがご覚悟なされい!」

刀の柄へ手をかけた。

「しばらく」

と貝十郎は手で制し、

「殿、松平冬次郎様、私を斬るは法を斬ると同様! それ心得てのご断行か?」

「非常の時には非常のことを行う! 非常事を行うことによって、かえって国は安泰じゃ!」

「非常の時ゆえ法を行うもの、いよいよ森厳であらねばならず! ……」

「いうな酷吏! しかのみならず、田沼に対する汝が見解、余とことごとく反対たること、今の汝の弁によって知った。……加うるに我らの計画を知って、邪魔だて致すとあるからは! ……斬れ! 戸ヶ崎! 斬れ! 斬れ! 斬れ!」

「あいやしばらく!」

と十二神貝十郎、ふたたび手もて制したが、

「ご様子で解る、今はこれまで! ……白須氏、出て参られい!」

答えあって奥の障子がひらき、織江を連れた白須源吾――百姓姿のままノッソリと出た。