Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
首を縮め肩を下げ、グッタリとなって寝台にもたれた。
何か口の中でいってはいたが、声となっては出なかった。
いわせず聞かせず見せずという、家治に対する意次の、従来とって来た教育法が、いまだにさすがに威力があって、家治を圧倒し終ったのであった。
意次は部屋を出た。
と、廊下に立っていたのは、公卿姿の貝十郎であった。それから遙か離れたところに、天狗姿の九十郎が、花四天姿の自分の手のものを、五人ほど連れて控えていた。
「貝十郎一緒に参れ」
「は」
二人は歩いて行った。
すぐ後から九十郎がつづき、少し離れて花四天がつづいた。
滑石の円柱が左右に並び、その柱の諸所に、意匠を凝らした小さい篝火が、とりつけられて燃えている廊下は、床は空拭きの寄木細工であり、天井は絵模様の合組であった。
「貝十郎」と意次がいった。「上様には困ったぞ」
「…………」貝十郎は首ばかり傾げた。
「お浦を是非とも出せというのだ。……ああいう女に心を引かれる? 嗜好というものは変なものだな。……出してあげたくてもあの狂人女、とらえられないのだから仕方がない」
貝十郎は少し考えたが、「お浦差し出すでござりましょう」