Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

と云い交わすや、四方へ分かれて逃げてしまった。

「新助エーしめた、玉アどうした?」

「いねえ、外伝、ふけっちゃったア」

「気絶していた様子だったが……」

「変だなア、どこにもいねえ」

「何んのために俺らア働いたんだい?」

「考えようぜ、わからなくなった」

「だから田舎は厭だってんだ。……田舎へ来ると江戸の住人、間の抜けた目にあわされる」

「芒ッ原が魔物だぜ」

「狐ちきでもいるのかなア」

「引っ返そうぜ、こわくなった」

「町で一杯飲み直そうぜ」

「今度は貝十郎もやりそこなったぞ」

松平冬次郎はそういいながら、戸ヶ崎熊太郎へ笑顔を向けた。

「才ある者は才に負ける。先見の明あきらか過ぎる彼、取り越し苦労して云わでものことを、わしにわざわざ云って来たため、田沼意次この地へ参り、諏訪侯お城に滞在のこと、容易わしに知られてしまった」

高島の城へ続いている、松の並木を左右に持った、長い大手の縄手道を、熊太郎や清三郎を連れて、お城の方へ歩きながら、そう冬次郎は云いつづけた。

六

「田沼め身辺の危険を感じ、江戸にもいられず領国相良の、自分の城へも帰って行けず、他人の領地へ他人の名義で、ひそかに造り設けたという、浅間山麓の山屋敷へ、こっそり落ちて行こうとして、この諏訪の地へは来たのであろう。