Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
こうして幾日か過ごすうちに、範之丞の体は回復し、多少の元気も出て来たが、重なる艱難に心がとみに弱まったのは争われなかった。
(敵討ちに出た昔の人が、乞食にまで零落し、蒲鉾小屋に雨露をしのぐ、そういう芝居を見たこともあるが、それが自分の身になろうとは)
そう思っては暗然とし、茫然となるようなことさえあった。
お吉に対する感謝の情は、今は恋にまで成長していた。門づけなどさせたくない! この感情は申し訳ない、済まないという義理心以上、いとしく、いじらしくて見ていられない! という感情にまで達していた。
(今日はわけてもやりたくない)
こう彼が思ったのは、一揆がますます猖獗となり、諸方から小諸の城下へ迫る。領主牧野遠江守様も、宥めて治める法を失い、兵を出して鎮撫するらしいと、そんなような噂があるからであり、そういう物騒の城下へやったら、命のほどもあぶないと、それが案じられるからであった。
「何をあなた様饑えて死のうなどと……」
お吉は自分では元気よくいい、笑い声さえ立てていった。
「お侍様のくせにお気の弱い、饑えて死ぬほどでござりましたら、これまでの艱難いたしませぬ。