Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
飾り気なしに銀簪を、根深くグッと一本だけ差し、それへグルグルと巻きつけた髪が、細面の顔に似合って見え、藍の竪縞の広袖で、痩せぎすの躯をフックリと包み、腰をくねらせての横坐り、酒で身内がほてると見えて、胸もとを少しはだけているので、綺麗な肌が覗いて見える。そういうお吉は二十八、九か、もう少し行っているかもしれない。
いいいい猪口でまた唇をぬらした。
「昔の大籬の女郎って奴、おおよそご大相な見得と見識とを、持ってもいたが見せつけもしたものさ」
九十郎は寝たままそういって、湯呑みを引き寄せグッとあおった。白湯ではない酒なのである。
太い髷の総髪であった。二、三日剃刀をあてないと見えて、もみあげから※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)へかけじじむさそうに、髭が薄黒く隈取ってはいたが、細くスーッと切れ上がった眼、高く長く通った鼻、薄くしっかりと結ばれた口、どうしてなかなかの美男であった。
「あちこち手傷負っているというのに、そう飲んじゃア悪かろう」
剃った眉の跡の青い額へ、小皺を寄せてお吉はいった。
「傷がヒリヒリ痛むから飲むのさ。酒で痛みを消すってやつさ」