Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
「あい!」
バタバタと梯子段をかけ下り、上がり框まで来るとヌッと土間に、突っ立っている武士があった。
「お勘か! これはこれは勘助殿か!」
それは十二神貝十郎であった。
「…………」
声も立てられず呼吸を呑み、勘助は立ち縮みガタガタ顫えた。
そういう勘助を見詰めながら、戸外の陽で肩の上をぽっと明るめ、顔を反対に陰にして暗め、貝十郎は前歯を見せて笑った。
「妙なところでぶつかったなあ、お前達の方からいう時は、敵の重鎮九十郎の家でよ」
「えーッ」
と勘助は飛び上がった。
「コ、ここが九十郎の家※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「知らなかったのか、いよいよ変だぞ」
「知りませんでした。ヘー、そうですかい! ……じゃア先刻の武士は……ク、九十郎だったのですか!」
「何んのためにここへ参ったのだ?」
「旦那アー」
と勘助は死に声をあげた。
「お願いでござんす、必死の場合だ、どうぞどうぞお見遁がしを!」
「うん」と貝十郎は頤をしゃくった。
「捕えようと思えば汝ごとき、この貝十郎とうに捕っている。捕らずに今まで助けて置いたは、汝らの主人冬次郎様が、立派なお方であるからよ。その上拙者には詩文の友じゃ。