轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

狭い家中に、いっぱいに立ちはだかっている黒装束の連中などは、頭から眼中にないようす。

まるで、お藤とチョビ安だけのところへ、のんきに訪ねて来たようなふうだ。

「どうした」

「おひさしぶりでしたねえ、左膳の殿様。手を突いて御挨拶をしたいんですけれど、ごらんのとおり、とっちめられていて、自由がききませんから、ホホホホホ……」

「おいっ、あまり世話をやかせるものではないぞ」

その時まで黙っていた高大之進が、いきなり左膳へ向かって、こう口を開きました。

「多くはいわぬ。壺が大事か、子供の命が大事か――ソレッ」

眼くばせをうけて、チョビ安をおさえている一人の手に、やにわに寒い光が立った。抜き身の斬っ尖を膝に敷きこんだチョビ安の喉元へ擬したのです。

返答いかに?

おとなしく壺を渡せばよし、さもなければ、血に餓えたこの刃が、グザとかわいい小さなチョビ安の咽喉首へ……。

チョビ安は、しっかり眼をつぶって、身動きもしない。できない。

左膳は、どっかとあぐらをかきました。

「まあ、話をしようじゃアねえか」

「えいっ、渡すか渡さぬか、それだけいえっ」

「あたいは死んでもいいから、壺をやらないでね」