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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

三

あなた方のおみこみがはずれたら、御身分をおあかしくださるか。いや、結構でござります」

「待て、待て。そこで、もし壺がはいっておった場合には、貴様、いかがいたす」

「この白髪首を……と、申し上げたいところでござりますが、こんな首に御用はござりますまい。なんなりと――」

「よし、それなる娘を申し受けるといたそう。子供のことじゃ、連れていってどうしようとは言わぬ。屋敷にでも召し使うが、そのかわり、おやじ、生涯会われぬぞ」

「ようがす」

と、うなずいた作爺さん、さっと押入れをあけて鬱金の風呂敷に包んだ例の茶壺の木箱をとりだし、四人の前におきました。

「さ! お開けなすって」

三

四人のうちのひとり、小膝を突いて、袖をたくしあげた。

「世話をやかせた壺だ……」

「これさえ手に入れれば、こっちの勝ちだテ」

他の三人をはじめ、作爺さんの手が、ふろしきの結び目をとく手に、集中した。

お美夜ちゃんも、隅のほうから、伸びあがって見ている。

家の中が静かになったので、長屋の連中も一人ふたり、路地をはいって来て、おっかなビックリの顔が戸口にのぞいています。

バラリ、ふろしきがほどける。