轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
02 こけ猿の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页
三
「どこまでいらっしゃるおつもりで――もうよいかげん、ひっかえされては」
玄心斎の白髪に、落ち葉が一枚引っかかっている。
三
松平蔵之丞様のお屋敷と、須田村の間をぬけて、関屋の里まで行き着いた主従四人は、綾瀬川の橋のたもとにたちどまって、
「ハ、ハ、張り子の虎ではない。雨がなんだ、濡れたとて、破れはせぬぞ」
と、どもる源三郎をとりまいて、今はもう、しとどに横顔を打つ斜めの雨に、ほおを預けながら、
「しかし、この雨の中を、どこまでお走らせになっても、何もおもしろいことはござりますまい。お早々と御帰還のほど、願わしゅう存じまする」
玄心斎がしきりに帰りを促すそばから、谷大八もなんとなく胸騒ぎをおぼえて、
「これから先は、人家もござりませぬ。風流……も、ことによりけりで、この大雨のなかを――」
止められると、理由もなく進みたくなるのが、若殿育ちの源三郎の常で、彼は無言のまま、いきなり馬首を東南に向け、小川に沿って走らせ出した。
いいかげんそこらまで行ったら、このすこし先の道が、水戸街道と出会うあたりから、もとへ引っ返すつもり……。
菖蒲で名高い堀切も、今は時候はずれ。