轻松读懂日语经典作品
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
02 こけ猿の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页
六
お蓮様が、何を考えてか、峰丹波、岩淵達之助、等々力十内ほか十五人ほどの腹心の弟子達をひきつれて、こっそりここへ来てから、もう五日あまりになります。毎日毎日、しきりに、何かを待っているようす……。
六
一面の裏田圃……上木下川、下木下川、はるかに葛飾の野へかけて、稲田の面が、波のようにゆらいでいる。釣鐘堂、浄光寺の森は、大樹の梢が風にさわいで、まるで、女が髪を振り乱したようです。
見渡すかぎりの稲葉の海に、ところどころ百姓家の藁屋根が浮かんで、黒い低い雲から、さんざと落ちる雨の穂は、うなずくように、いっせいに首をまげています。物みなそうそうと黒く濡れそびれたなかに、鳴子や案山子が、いまにも倒れそうに危うく立っている。
見るうちに人細り行く時雨かな
ではない、見るうちに馬細りゆく時雨かな……田圃のなかの畦道を、主従四人の騎馬すがたが、見る間に小さくなってゆくところは、まことに風流のようですが、当人達はそれどころではありません。
夕立にどの大名か一しぼり
夕立ではないが、野狩りに出た殿様の一行が、雨に濡れて馬をいそがせて行く。はたから見たら、さながら画中の点景人物でしょうが――お蓮様と丹波がいつのまにかこの近くの寮へ来ていると聞いた柳生源三郎は、もう狂的です。