轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

五

竹の濡れ縁に煙草盆を持ちだしていた司馬道場の御後室、お蓮様は、

「まあ、急にひどい吹き降りになって……」

びっくりするほどの若やいだ声で、笑いながら、被布の袂をひるがえして、屋内へにげこんだ。

ドッ! と音をたてて、雹かと思うような大きな雨粒と、枯れ葉を巻きこんだ風が、ふきこんでくる。

「ほんとに、秋の空ほど頼りにならないものはない。朝はあんなに晴れていたのにねえ」

と、思い出したように、

「ああ、いつまでこんなところに待っていなくっちゃアならないんだろう。ほんとに、嫌になってしまう。だけど、道場のほうでは、私達のいないことを、うまく隠しているだろうねえ」

「それは大丈夫だと思います。かたく申しつけてまいりましたから――あなた様をはじめ、一同道場にいるようにつくろって、よもや、源三郎一派に気取られるようなことはあるまいと存じます」

峰丹波は、そう励ますように言いきって、自ら立って縁の雨戸を一、二枚繰り出した。

その音を聞きつけて、次の間から、岩淵達之助、等々力十内の二人が、あわただしく走りでてきて、

「おてずから、恐れ入ります」

「わたしがしめます」

「ことによると、きょうあたり、かの門之丞の案内で、まいこんでくるかも知れませぬぞ」