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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
02 こけ猿の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页
三
三
八代さまの世に、日光修繕の模様はどうかというと、御番所日記、有徳院御実記などによれば……
小さな修営は、享保十五年、この時の御修復検分としましては、お作事奉行小菅因幡守、お大工頭近藤郷左衛門、大棟梁平内七郎右衛門、寛保三年、同四年、奉行曾我日向守、お畳奉行別所播磨守、くだって延享元年――と、なかなかやかましいものであります。
が、これらは、中途の小手入れ。
例の二十年目の大げさなやつは、先代有章院七代家継公のときから数えて二十年めにあたる享保十六年辛亥……この時の造営奉行、柳生対馬守とチャンと出ている。
つまり、この講談は、その前年からはじまっているのです。
来年の日光を誰に持って行こうかという、上様の御下問に対して、伊賀の柳生へ――と愚楽が答えたから、吉宗公におかせられては、ふしぎそうなお顔。
「対馬は剣術つかいじゃアねえか。人斬りはうまかろうが、金なぞあるめえ」
とおっしゃった。吉宗は相手が愚楽老人だと、上機嫌に、こんな伝法な口をきいたもんです。
「ところが、大あり、おおあり名古屋ですから、まあ、一度、申しつけてごらんなさい」
と老人、ちゃんちゃんこの袖をまくって――オット、ちゃんちゃんこに袖はない――将軍様の肩をトントン揉みながら、