轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

十一

見上げたものだ」

と首をひねりながら、

「しかし父、富さんがそういっただけで、ほんとに源三郎さんてえ人が焼け死んだものかどうか、そいつはまだわからねえ」

「それもそうだナ。伊賀のあばれン坊ともあろうものが、いくら火にまかれても、そうやすやすと焼き殺されようたア思われねえ」

「これからすぐ渋江村へ――」

「安、おめえも来るか」

「あい」

「向うへ行ってみたうえで、源三郎の死んだというのが間違いとわかったら、お前その足でこの手紙を、本郷へとどけてくれナ」

「言うにゃおよぶ。源さんの生死をたしかめるのが第一だ」

チョビ安、源さんなどと心やすいことを言いながら、はや先にたって土間へ……。

ひらかれようとして、まだひらかれない壺。

手もとにある以上、あけようと思えばいつでもあけられると思ったものだから、萩乃へ恋文を書いたりして夜を明かし、いざこれからふたをとろうという時に、この火事騒ぎ――気をゆるしたわけではありませんが、早くあけて見ればよかったものを。

今はそのひまもない。

左膳は手早く壺にすがりをかぶせ、古金襴の布にくるみ、箱に入れて、風呂敷につつみました。

すっかりもとどおりにしまいこんで……チョビ安にでもさげさせて、いっしょに持って出ればよかったのに――。