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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

招かざる客

一

「なむあみだぶつ、なんみょうほうれんげきょう……!」

丹波は一段と声を励まし、

「例によって、このなかにたった一つ、当家のお嬢様がお礼とおしたためになった包みがござる。それをお拾いの方は、どうぞ門番へお示しのうえ、邸内へお通りあるよう、御案内いたしまする」

バラバラッ! と一掴み、投げました。

招かざる客

一

ひとつの三宝が空になると、あとから後からと、弟子が、銭包みを山盛りにしたお三宝をさしあげる。

丹波はそれを受け取っては、眼下の人の海をめがけて、自分の金じゃアないから、ばかに威勢がいい。つかんでは投げ、掴んでは投げ……。

ワーッ! ワッと、大浪の崩れるように、人々は鬨の声をあげて、拾いはじめた。

拾うというより、あたまの上へ来たやつを、人より先に跳びあがり、伸びあがって、ひっ掴むんです。こうなると、背高童子が一番割りがいい。

押しあい、へし合い、肩を揉み足を踏んづけあって、執念我欲の図……。

「痛えっ! 髷をひっぱるのあ誰だっ!」

「おいっ、襟首へ手を突っこむやつがあるか」

「何いってやんでえ。我慢しろい。てめえの背中へお捻りがすべりこんだんだ」

「おれの背中へとびこんだら、おれのもんだ。