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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

刀絡め

一

どういう計画がひそんでいるかも知れないと、一同はすこしの油断もなく、無言のまま室の四隅から立ち迫る夕闇に眼を据えていますと……。

ソッと襖があいて、

「お灯を――」

と、いう声。

さっきの少年の門弟が、燭台をささげてはいってきた。それを機会に、

「何もござりますまいが、お食事のしたくを頼んでまいりましょう」

そう自然らしく言って、門之丞が、少年の後を追うように出ていった。夜になって、また風が出たようすです。轟ッ! と、棟を鳴らす音に、燭台の灯が、おびえたように低くゆらぐ……。

刀絡め

一

門之丞は、そのまま部屋へ帰ってきません。

やがて、同じ少年の弟子が、敷居ぎわにあらわれて、手を突き、

「御膳部の用意が、できましてございますが……御家来衆は別室で、ということで、どうぞお二人はあちらへ――」

と言う。

玄心斎は、さてこそという眼顔で、源三郎を見た。

「若、わたくしどもも、ここで……」

そして、少年へ、

「イヤ、拙者らもここで、いただいてかまわぬとおおせらるる。お手数ながら、拙者らの膳も、此室へお運びねがおう」

「いや、待て、爺」

源三郎は、いつになくニコニコして、