轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

挨拶に出べきはず。無礼!――と、いったんは心中におこってみたが、それよりも、不審のこころもちのほうが強い。いま、給仕の少年にきいてみたいと思ったが、なんだかうす気味わるがって、怖れているようで、かれの性質として、それもできないのです。

もう一つは、あの、うちしおれて、憐れみを乞うたお蓮さまのことば……あれをそのままとっていいかどうか。裏にはうらがありはしないか。

また、出ていったきり帰らない門之丞と、別室で食事しているはずの玄心斎と大八は、どうしたか――。

やっぱりあのお蓮様は、斬ってしまうに限る。あしたにでも斬らねばならぬ。それから、峰丹波も……

源三郎は、そうふたたび心に決しつつ、黙々として箸を置きました。雨に追われて、馬を走らせたので、空腹に、思わず食をすごしたようです。

食後も。

誰もくるようすはない。

雨はやみ、風が雲を吹き払って、月が顔をのぞかせたらしい。どこから迷いこんできたのか、死におくれたこおろぎが一匹、隅のたたみに長い脚を引きずっている。

まるで自分は体のいい捕虜……気をひきしめねば、と自らをはげましつつも、源三郎、いつしか眼の皮がだるくなってくるので。