轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
岩山の洞の国
ではどこへ行こうかしら? おおそうそうこんな時に、遠耳秘法を講じて見よう」
そこで彼女は大地へ坐り、堅く両手で耳を抑え、額を地面へ押し付けた。
すなわち耳を抑えたのは外間の雑音を聞かないためで、額を地面へ押しあてたのは、それを伝わって聞こえて来る、遠方の物音を聞くためであった。とは云え普通の人間がそうやって両手で耳を抑えそうやって額を地に付けたところで遠方の音は聞こえない。それを聞くにはそれだけの、心の用意がなければならない。すなわち倶係震卦教の深い教理を知っていなければ、行ったところで無駄なのであった。
しかし鳰鳥にしたところが、教理には達しているものの、修行体得はしていない。で、物音を聞くことは出来ても、その詳しいところまでは解する事が出来なかった。
「西にあたって人声のするのは、恐らく人家があるのだろう。南は濶然とひらけている。さて北は鬱々として何んの物音も聞こえないのは、山また山があるからであろう。おや、女の泣き声がする! 一人ではない二人らしい! 手近の所で泣いている。そうして方角は東南だ!」
彼女はそこで立ち上がった。
難解な倶係震卦教をたった今しがた伝授され、ものの半刻と経たないうちに、ともかくもこれだけ応用出来たのは非常な天才といわざるを得ない。