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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
何んだつまらない。嘘なのか。嘘とあっては仕方がない。米をくれるのは止めとしよう」
クルリと米主は背を向けた。
「おっとおっと麗人族様、ちょっとちょっとお待ちください。実を申せばその玉は、確かに私奴が盗みました」
すると米主は振り返った。
「ではやはり盗んだのか」
「へいへいさようでございます」
「うんそうかうまくやったな。いや全くうまくやった。どれちょっと見せてくれ」
土彦は胡散らしく後退さった。
「そいつあどうもいけませんなあ」
「何故いけない? え、何故だ? ははあ解った、こうなんだろう。取られるとでも思うのだろう」
「ヘッヘッヘッヘッまずさようで」
「手に取って見たいと云いはしない。そこからちょっと見せてくれ」
「それならよろしゅうございます」
土彦は左手を差し出した。二つの玉が掌に寂然として載っていた。一つは青く一つは白く、胡桃ほどの大きさであった。
「ああそれか、莫迦に小さいな」
「小さな物でございます」
「そんな貧弱な小っぽけな玉で、魔法が使えようとは思われないな」軽蔑するように米主が云った。
「ところがあなた、使えますので」
「どうも俺には信じられない」
「ところがあなた、使えますので」