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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

今や、四方八方から、壺をうかがっているありさま。

まだ、このほかに、巷の豪、蒲生泰軒先生まで、これは何かしら自分一人の考えから、ああして壺をつけまわしているらしい。

年長らしい赭ら顔の侍が、とうとうしびれをきらして、さけびをあげました。

「親爺! どけイ! その押入れをさがさせろっ」

「いや、お言葉ではござりますが、手前も、引き受けてお預かりしたものを、そう安々と――」

「何をぬかす。いたい目を見ぬうちに、おとなしくわきへ寄ったがよいぞ」

「しかし、私はあくまでも、内容は壺ではねえと存じますので」

「まあ、よい。壺でなくて、何がはいっておる? うん? 開けて見れば、わかることだ」

「お侍様、りっぱな旦那方が、四人もおそろいになって、もし箱の中身が壺でございません時には、いったいどう遊ばすおつもりで――?」

「うむ、それはおもしろい。賭けをしようというのじゃな。さようさ、その箱に壺がはいっておらん場合には……」

と、ひとりが他の三人の顔を見ますと、三人は一時にうなずいて、

「そのときは、やむを得ん。拙者らの身分を明かすといたそう。親爺、それでどうじゃ、不服か」

「なるほど。