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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

じぶんの小屋から、壺の箱らしいものが出れば、必ず、なに者かがあとをつけるに相違ないと、左膳はにらんでいた。

まさに、そのとおり……おまけに、こどものくせに、いっぱしの侍の風をした異装だから、まるでチンドン屋みたいなもので、あの日あのチョビ安が、与吉にとって絶好の尾行の的となったのは、当然で。

それがまた、左膳のねらいどころ。

開けてくやしき玉手箱――この四人のびっくりぎょうてんも、左膳のおもわくどおりであります。

石のおもてに、左膳が左腕をふるって認めた文字……虚々実々、いずれをまことと白真弓――この揶揄と皮肉と、挑戦をこめた冷い字を、ジッと見つめていた四人は、いっせいに顔をあげて、

「やられたナ、見事に」

「ウム。すると、壺はまだ、例の乞食小屋に――」

「むろん、あるにきまっておる!」

作爺さんを無視して、四人バタバタと家を駈け出ようとするから、こんどは、作爺さんが承知しません。

「ちょっとお待ちを……それでは約束がちがいます」

と呼びとめました。

引越蕎麦

一

お約束が違いはしませんか……と、引きとめられた四人の侍は、一時に、作爺さんを振りかえって、威丈高――。