轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

02 こけ猿の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 241,861 字 · 480 页

青空文庫

二

だが。

人の膚をつきさすような、ジリジリした日光には、もうどこやら初夏の色がまじって、川水一面、金の帯のように照りはえている。

寮の前の往来の片側に、長くつづいている客人大権現の土塀から枝をのばした樹々のしげみが、かげ涼しげにながめらるるのだった。

平和なのは、この自然の風景のみ。

真っ黒な焼け跡には、いまし全伊賀勢を相手に、丹下左膳の狂刃が、巴の舞いを演じているのである。

いま言った土塀の上に。

近処の者や、通りすがりの人の顔がズラリと並んで、

「オウ、由や、見ねえな、講釈のとおりじゃアねえか。足をジリジリ、ジリジリときざませて、両方から近よっていくところなんざア、すごい見物だぜ」

「あの片手の侍は、よっぽど腕がたつと見えるぜ。取り巻えてる連中の、ハッハッハという息づかいが、ここまで聞こえてくるようだ」

「ソラ、一人うしろへまわったぞ」

「刀を下段にかまえて……ソレ、しのびよっていく、しのびよっていく」

「ああ、おれはもう見ちゃアいられねえ」

と気の弱いひとりが、たまらなくなって眼をふせる。

「ほんとだ。あいつもバッサリやられるにきまってらあ」

この言葉が終わるか終わらぬかに、塀の上に並ぶ見物人一同、ワアッと歓声をあげた。